目次
はじめに
日商簿記1級が難しいとされる理由の1つに、工業簿記・原価計算が挙げられます。
これらの科目は、何をしているのか分かりづらく全体像が把握しづらいです。
商業簿記は個別に論点を理解していけば解けます。
しかしそれに比べて、工・原は論点が全体的に繋がっていているため、全体像の把握ができていないと、学んだことがごちゃごちゃになります。
そのうえ、初見の問題が出たり、大量に資料を与えられることで何をしていいのかがわからなくなります。
工業簿記・原価計算で大事なこと
日商簿記1級の工業簿記・原価計算は本質の理解をすることが大切です。
過去問にはない初見の問題が出ることがありますが、一見難しくても本質を理解できていると、部分点を簡単に解けることもあります。
そういったところで得点ができると、表面上のみ学習してきた人と差をつけられるため合格に近づきます。
筆者は工・原でアドバンテージを稼いだことで商・会をカバーして合格できました。
①本質の理解とは?
問題で出てくるキーワードや下書き、勘定連絡図等の意味を理解し、全体の原価計算基準の考え方と結びつけることです。
原価計算基準とはなにか?
実際原価とは? 標準原価とは?
総合原価計算と個別原価計算の違いは?
CVP分析とは?
勘定連絡図とは?
こういった疑問を無視せずに、1つずつ解消することが大事になります。
よくない例
なんとなくわかったつもりで、放置してはいけません。
それが積もり積もって、工・原の全体像の解像度が下がってしまいます。
①講義で全体像を抑える
↓
②ある程度問題を解きなれてくる
↓
③何度も同じような資料や言葉を目にするので、なんとなくわかった気になる
↓
④とりあえずこの下書きと仕訳を書けばいいんだと丸暗記する
日商簿記2級くらいまでならこれでも通じますが、1級では足りません。
解決策
上記の③の後に1つ工程を入れます。
①講義で全体像を抑える
↓
②ある程度問題を解きなれてくる
↓
③いつも同じような資料や言葉を目にするのでなんとなくわかった気になる
↓
NEW 「そもそも、この計算はなにをしている?」「このキーワードはなんだ?」
テキストや質問、ネット、AIを利用して疑問を解消する。
全体像と個々の論点の繋がりを把握する
↓
④調べてもわからないところは、とりあえず暗記でOK
よく出てくるキーワードやよく間違える論点について、「そもそもこれはなんだ?」と疑問に思って調べる癖をつけることで工業簿記・原価計算の本質の理解に近づきます。(以下「そもそも論」と述べる)
似たようなキーワードや論点ごとの目的の違いを理解することで、初見の問題でも「作問者が何を聞きたいのか」、「どの資料や下書きが必要になるのか」を正確に理解できるようになります。
そうなれば回答の道筋が見えるのが早くなり、時間効率も上がります。
②理解すれば、暗記する部分が減る
ただ丸暗記すると時間が空いたり、本番の緊張で忘れたりすることが増えます。
丸暗記しては忘れて、そのたび復習が必要になると、範囲が膨大な1級の試験では勉強時間がいくらあっても足りません。
しかし理解している部分が増えると、一度忘れても自分で導きやすくなったり、暗記する部分が減ります。
復習の必要回数が減ります。
なので日ごろの学習時間の面でも、理解することには多大なるメリットがあります。
理解の具体例
費目別計算について
実際原価計算において、製造原価を求めるには、
費目別計算→部門別計算→製品別計算を行う。
費目別計算とは?
製造原価を材料費・労務費・経費の3種類を直接費と間接費に分類し、計6種類にわける。
| 直接材料費 | 直接労務費 | 直接経費 |
| 間接材料費 | 間接労務費 | 間接労務費 |
材料費→モノにかかる費用

労務費→人にかかる費用

経費→それ以外

直接費→直接製品1つあたりに、どれくらいの費用が掛かったか結び付けられるもの
間接費→直接製品1つあたりに、どれくらいの費用が掛かったか結び付けれれないもの
具体例:車を作るとしたら
直接費(車1台にいくらかかったかわかるもの)
直接材料費→タイヤや窓、車体やエンジンにかかる費用等
直接経費→直接車を作る作業を行っている人の賃金+残業代や資格手当、危険手当等
直接経費→特許権があるものの使用料や作業の外注をしたときの費用

間接費(車1台につきいくらかかったかわからないもの)
間接材料費→作業に使う機械の油や燃料、工具、工場の椅子や手袋、作業着等

間接労務費→工場長、作業に関わらない事務の人の給料、ボーナス、家族手当や住宅手当、通勤手当、社会保険料の会社負担額等

間接経費→設備や建物の減価償却費、人材の募集費や備品の固定資産税等

このように、ひとつずつ疑問を深掘りしていき、実際の自分がイメージしやすい具体例と紐づけていきます。
こうすれば費目別計算について丸暗記よりもずっと記憶に残ります。
また問題でもなにを問われているのか理解しやすくなり、初見の問題にも対応できるようになります。
注意点
結局すべてを理解することはできませんしする必要もありません。
先生や研究者になるわけではなく、対応力をつけるのが目的です。
理解が大事を優先するあまり、テキストや講義のインプットに時間をかけすぎると点数は伸びません。(筆者の経験談です)
一度わかりやすい講義を受けてインプットをしたら、アウトプットを中心にします。
間違えた部分から「そもそも論」の分析をすることで効率よく学習することができます。
わかりやすい講義
CPAラーニングというアプリをご存知でしょうか。
公認会計士試験の予備校として、急激に成長した予備校であるCPAが無料で公開しているものです。
その中で、植田先生という関西弁の方が日商簿記1級の工業・原計の講義を配信しています。
自分は会計士試験の勉強をしている時、CPAで植田先生の講義とテキストを使用したおかげで、管理の理解力がめちゃくちゃ上がったので、理解のためのインプットをするならばお勧めです。
実際にCPAラーニングで植田先生の講義を見たわけではありませんが、わかりやすさは同じだと思うので、是非一度ご確認ください。
植田先生はYouTubeなども投稿しているので、そちらもぜひ。
まとめ
工・原の点数を上げるためには
①本質の理解が大事
②本質の理解とは「キーワードや下書き、勘定連絡図等の意味を理解し、全体の原価計算基準の考え方と結びつけること」
③本質の理解のためにはキーワードや論点の”そもそも論”を解消する
④自分のイメージしやすい具体例と紐づける
⑤アウトプット中心に学習し、間違えた部分や疑問に思った部分から解消する
⑥管理のインプットは、CPAの植田先生の講義がおすすめ

