はじめに
イマージョンラーニングは、最初の目標設定を間違えると高確率で挫折します。
- 「毎日3時間!」
- 「半年で字幕なし!」
こういった高い目標をたてると、日々の学習がきつくなる上に、期待とのギャップが大きくなってしまいます。
イマージョンによる言語学習は、時間をかけて大量にインプットすることで、無意識下に知識を蓄積させるため、基本的に成果が見えづらいものです。
「前よりもなんとなくできるようになっている」といったような感覚の積み重ねで、自然と成長していきます。
この記事では、2年イマージョンラーニングをした経験をもとに、現実的な段階をベースに、”イマージョンの目標をステージごとに整理”します。
ステージ1:まずは「習慣化」だけを目標にする
期間:数週間〜半年
イマージョンラーニングは超長距離マラソン
ここで多くの人が失敗します。
「めちゃくちゃ量をやれば、すごい伸びるはず」
「普通の人が何年もかかるなら、毎日10時間とかやって、1年でできるようになろう」
確かに量は重要ですが、最初からフルスロットルで頑張るのは精神的にきついだけです。
頑張れば頑張るほど、早く成果が欲しくなります。
ですが、イマージョンによる学習効果はすぐには出ません。
イマージョンによる英語学習は、テストのための学習と違って、テストもなく学習範囲もありません。
”何万キロ、何十万キロも先のゴールに向かって走るマラソン”ようなものです。
初めの数十キロメートルをハイペースで走っても、まだまだ何万キロも残っています。
これでは心が折れるのが当たり前です。
もちろん途中で色々な成長や効果が期待できますが、それは注目しないと見逃してしまうような小さなものの連続です。
だからこそ、気楽に継続する
ここまでネガティブな情報ばかりでしたが、イマージョンラーニングは決して、険しく厳しいものではありません。
自分の興味のあるもの、好きなものを教材にして、無理なく長期間続けられるのが、イマージョンラーニングのいいところです。
”長い旅路を、気楽に進んでいたら、気づいたら遠くまで来ていた。”
こういったものです。
たとえ初めは少しずつでも、途中からコツを掴んだり、英語力が上がると、自然と楽にこなせる量が増えていきます。

なので最初の目標は、英語力アップではありません。長時間する必要もありません。
”英語を無理なく生活に取り入れること”
これが最も大事です。
具体的な行動
- 初めは5分でもいいので、英語を生活に溶け込ませる
- とにかく無理をしない
”日本語音声+英語字幕”で映像作品を見るのもおすすめです。好きなものを見てください。
作品はNetflixで探すのがおすすめです。
面白い作品が多く、英語字幕があるものが多いため、好きなものを見つけやすいです。
筆者は、好きな日本のアニメやドラマなどを”日本語音声+英語字幕”で半年間続けることによって、リーディング速度や語彙力がアップしました。
リーディング速度がアップすると、字幕に置いていかれることが無くなります。この能力は今後もずっと活躍します。
また、日本語音声で話を理解しつつ、英語字幕を見ることで、「この単語はこういう意味ね」と自然と推測できます。
「英語音声+日本語字幕」ではこれらの効果を得ることはできないため、「日本語音声+英語字幕」を強くお勧めします。
ちなみに、中学・高校で学ぶ英語の知識がなく、英語字幕の大半が理解できない、知らない単語ばかりで耐えられない時は、こちらで紹介する教材で単語や文法を学ぶことをお勧めします。
ステージ2:小さな変化に気づき始める
目安:イマージョンラーニングが習慣化できてきた頃
この段階では、こんな感覚が出てきます。
- 「あ、この単語前にも見たな」
- 「この表現、また出てきた」
- なんとなく音に慣れてきた気がする
- 英語字幕についていけるようになった
語彙力が爆発的に増えるわけではありません。ですが、何度も見かける表現やフレーズに気付き始めます。
また、英語字幕についていけるようになったら、一度見た作品を、”英語音声+英語字幕”で見てみることをお勧めします。
ストーリーを理解しているうえに、一度英語字幕を読んでいるので、英語音声にしてもかなり理解できます。
※音声のセリフと字幕が一致しているものを選ぶ必要があります。
イマージョンラーニングによる効果を実感すると、起きる変化
イマージョンラーニングを取り入れても、はじめのうちは、
- 「本当に効果あるのか?」
- 「他の勉強法のほうがいいんじゃないか?」
こういった不安が頭をよぎります。
しかしイマージョンラーニングによる効果を肌で感じられると、楽しくなってきます。
自分だけにはわかる、確かな手ごたえがあります。
好奇心や期待感が増すことによって、自然と一日の英語をインプットする量が増えたりします。
ステージ3:英語が娯楽に変わる(ここまで来たら勝ち)
この段階が一つの大きな壁であり、突破点です。
- 英語視聴が「勉強」じゃなくなる
- 日本語で楽しんでいた娯楽を、英語に置き換えられる
ここまで来ると、
毎日やらなきゃ → 見たい
に変わります。
こうなれば、あとは日々楽しく継続していくだけです。
ステージ4:英語音声+英語字幕で楽しむ
”日本語音声+英語字幕”によって、理解した作品を”英語音声+英語字幕”で見れるようになった後は、初見の作品を”英語音声+英語字幕”で見るようにシフトしていきます。
お勧めの作品の見つけ方
イマージョンラーニングをするときには、”comprehensible input=理解可能なインプット”が大事と言われています。英語で8割以上理解できる作品が望ましいとされています。
これに沿っていうならば、ネットフリックスで対象年齢7歳以上の作品を探すのがおすすめです。
Netflixで対象年齢を判別する方法はこちらの記事で紹介しています。
とはいえ、はじめのうちは対象年齢7歳以上でもわからなかったり、英語の速度についていけなかったりします。
さらに、子供向けなので面白いと思えない可能性もあります。
理解可能なインプットも大事ですが、楽しく集中して見れる作品であることも、イマージョンラーニングにおいて大事な要素です。
なので対象年齢10歳、13歳、16歳以上の作品でも、自分が興味をもって楽しめるものなら大丈夫です。
そういった作品は、初めは大部分がわからなくても、前のめりで集中して見れます。
何度も出てくる単語や気になったフレーズは調べることも効果的です。Language Reactorを使うと、調べやすいです。
自分の場合は、”cyberpunk2077”という作品が当てはまります。
スラングばかりで圧倒的に難易度が高いですが、原作のゲームにはまっていたこともあり、何周も観ました。
その結果、たくさんの語彙やセリフを獲得することができ、セリフの一部もスラスラいえるようになりました。
ここで得たスラングや語彙が、他の作品で見かけることも多々あります。
あとは、「イカゲーム」「今際の国のアリス」などのNetflix独占配信で、英語圏以外の作品は超お勧めです。
なぜなら、英語圏以外の作品はスラングがめちゃくちゃ少ない上に、Netflix独占配信のものは英語音声と英語字幕のズレがないからです。
向いていない作品
逆に自分に合ってない作品は、以下のようなものです。
- 眠くなる
- イライラする
- 面白くない
- わからなすぎる
これらの症状が出たら、別の動画に代えるのがおすすめです。
ステージ5:音が馴染み、処理が軽くなる
”英語音声+英語字幕”で視聴することを継続することで、 以下のような効果を感じられるようになります。
- 日本語に翻訳しなくなる
- セリフが完璧に分からなくても気にしなくなる
- 細かい単語より、全体の流れを掴める
- 頻出フレーズ・語彙が自然に定着
- 英文を見たときに、ネイティブの発音やリズムが頭に再生されるようになる
- ネイティブの発音に慣れる(単語を繋げて発音するリンキング)
- ネイティブの早口が気にならなくなる
この結果、英語で映像を見るための脳の処理が最適化され始め、長時間見ても疲れにくくなります。
ステージ6:ジャンルの幅が広がる
ドラマ・映画・アニメだけでなく
- ドキュメンタリー
- 英語圏のYouTuber
- ニュース
など、いろんな分野が見られるようになります。
英語圏作品の対象年齢13歳以上のものも、ストレスなく視聴可能になります。
また、字幕なしでも「分かる部分」が明確に増えます。
ステージ7?:繰り返し見られる作品が見つかる
※便宜上、ステージ7に持ってきましたが、もっと前の段階で好きな作品が見つかると思います。
イマージョンによって得られる効果を、最大限感じるためには、同じ作品を何度も見るのが効果的です。
映画やドラマは、初見ではストーリーや世界観、人間関係などの把握に忙しいです。知らない語彙もたくさん出てきて気になります。
ですが一度見た作品は、
- 内容をある程度知っている
- セリフを予測できる
- より細かい部分に集中できる
等のメリットがあるので、かなり英語が聞き取れるように感じます。これにより、自信がつきますし、見るストレスが激減します。
セリフも覚えられる部分が出てきます。
しかし注意点として、興味の持てないものを何度も見ても苦痛で、脳の吸収力が落ちてしまいます。
ですので、自分が好きで、何回でも見たい作品が見つけられると、圧倒的に強いです。
また、短期間で同じ作品を何周もするのではなく、間をあけてから再度見る方が脳に新鮮さを与えられるため、集中力や記憶力にいい影響があります。
ステージ8:8割理解できる世界へ
最終的には、
”大半のコンテンツを8割くらい理解できる”
という状態に持っていくことが目標になります。
特に英語圏の作品は本当に難しいので、”対象年齢16歳以上の英語圏の作品”の大半が楽に見られるようになったら凄いです。
2年イマージョンラーニングをしていますが、自分はまだここには至っていません。
まとめ:イマージョンは「段階」を踏めば楽になる
- 最初は習慣化だけ
- 効果を感じてから量を増やす
- 好きなものを繰り返す
- 娯楽に変わったら勝ち
イマージョンは楽しく長く続けられた人が伸びる学習法です。焦らず、生活の一部にしていきましょう。

